半導体を基軸としたテラヘルツ光科学と応用展開

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メンバー紹介
staff

研究代表者


田中 耕一郎
(京都大学 大学院理学研究科 教授)
1990年 京都大学 大学院理学研究科博士後期課程修了(理学博士)
1990年 東京大学 物性研究所 助手
1995年 新技術事業団(現在の科学技術振興機構) 平尾誘起構造プロジェクト研究員
1997年 京都大学 大学院理学研究科 助教授
2004年 京都大学 大学院理学研究科 教授
2008年 京都大学 物質ー細胞統合システム拠点 主任研究員・教授
2014年 京都大学 大学院理学研究科 教授・物質ー細胞統合システム拠点(連携併任)

私は以前、基礎物理学的な興味から半導体の中の電子、分子の励起モードなどを調べるため、そのツールとしてTHz光を用いた研究を行っていました。当初、既存の装置を用いて測定を行っていましたが、光源の強度が弱く、測定方式にも物足りなさを感じるようになりました。それをきっかけに光源開発、測定装置の創出を目標に世界に先駆けた研究に挑み続け、これまでに、THz光を用いたイメージング技術を社会実装するために必要な要素技術の開発に成功することができました。
今回ACCELでは、これまで期待されてきた産業界からのニーズにすべて応えられるよう、半導体を基軸に個別要素の飛躍的な性能向上をめざしTHz光のシステムを作りかえることにより、リアルタイムかつ安全・安心なイメージングシステムの実現を図ります。
それを成功へとつなげる道筋は、すでに複数描けています。本技術が早く社会に普及し貢献できるようなイノベーションの創出を目指します。

 

プログラムマネージャー


深澤 亮一
(科学技術振興機構 ACCELプログラムマネージャー)
1989年 新潟大学 大学院自然科学研究科博士課程修了(学術博士)
1989年 日本分光株式会社 入社
1993年 エモリー大学 物理学科 客員研究員
1995年 郵政省 通信総合研究所(現在の情報通信研究機構) 特別研究員
1998年 株式会社 栃木ニコン入社
2004年 有限会社 スペクトルデザイン設立
2008年 有限会社 スペクトルデザイン 代表取締役
2017年 ACCELプログラムマネージャー

私はかつて企業でTHz研究をおこなっており、その頃、田中先生と一緒に当時としては画期的なコンパクトTHzセンシングシステムの開発に成功しました。その後、自ら研究開発型ベンチャー企業を立ち上げ、THz光を用いた非破壊検査装置など、THz光技術の実用化に向けた開発を継続的に進めてきました。現在、産業界からは、もっとくっきり、もっと細かく透視できる技術へのニーズが多様な方面で高まっており、既存の光では見えないものを見せることが可能なTHz光技術への期待を日々強く感じています。近年THz光の技術開発は大きく進歩してきましたが、この技術を広く社会普及させるためには課題があり、そのためにはこのACCELで半導体を基軸とした研究開発に取り組み、小型化、低コスト化などのブレークスルーを実現することが必須です。
THz光技術の本格的な社会実装への道筋を拓くため、産業界からの参入と応用拡大を推進することを目指し、プロジェクトを進めていきます。